電話代理サービスがすごい

Tag: 電話代理サービス 電話リレーサービス 聴覚障害 難聴

難聴のあなたは今から使うべきです

電話代理サービスを使い始めましたが、とても便利です。
実は初めてではありません。

2004年頃にも電話リレーサービスが登場して、飛び込み営業でアポイントをとるときに使っていました。

もっとも、使用中のことが多かったのと、利用者人数が伸びなかったのか、携帯メール普及で終了しますと、終了しました。
本当に困りました。

電話ができなくて、営業ができない・・・

この時にとった代替手段はDMファクスを使って反応のあった所とメールでやりとりをする方法でした。しかし、リアルタイムで連絡ができないのはもどかしかったです。

電話を事務所にいる他人にしてもらいましたが、わたしに断りなく勝手に話を進められたりして、わたしがとってきた大手との商談がパーに取りやめになったこともありました。

電話が苦手な理由でも説明していますが、難聴・聴覚障害者にとって一番厳しいのがこの電話なのです。

「電話してくれ」と言われても、電話ができないことの悲しさは経験しないとわからないものですね。

電話ができなくてつらい

わたし自身、聴覚口話訓練の猛特訓のおかげで電話はできており、中学生の頃は黒電話のシルバーホンを使って積極的に電話をしていました。

しかし、聞き間違いが多いのと、社会に出てからだんだんと携帯電話や無線電話が増えてからまったく聴き取れないことが増えて、あきらめるしかありませんでした。

電話をしてもききとれないのはもどかしく、試行錯誤しながら、聴覚障害者なのでとことわったうえで一方的に伝えることも多くありました。

面接で「電話ができますか」とたずねられて、不採用になると「電話ができれば・・・」と何度も思いました。

地域の難聴者協会の要望で

地域の難聴者協会の理事会でも電話リレーサービス制度の充実を福祉への要望にいれました。

地域の難聴者協会では自動音声認識ソフトの開発には積極的に後援していましたが、

「電話リレーサービスは使いものにならない」
「自動音声認識ソフトが完成するからいらない」
「コストがかかる」

といわれ、まったく関心がありませんでした。
ある時、京都府への要望書から電話リレーサービスが消されていました。

わたしが強く要望して、ようやく要望書の隅っこに載せられました。本当に申し訳程度でしたが、それでもなかった頃を思うとマシでした。

後にわかりましたが、自動音声認識ソフトは認識度がまだ課題で、わたしが見たデモでは確かに音声を認識しており、認識率89%と極めて高いものでした。

しかし、ひとりひとりが発言する会議ならまだしも、一度に異なる声を聞き分けるのは今の技術でもまだ難しいのが現状だとわかりました。

これまでの教訓

教訓としては
完璧でなくてもいいから、とにかくやってみること。

完璧であろうとしたら、いつまでもできません。

2013年、日本財団の支援で電話リレーサービス普及モニタ実験事業が始められました。

この事業の理由もはっきりしており、電話リレーサービスは駅のエレベーターと同じ公的なインフラであるとしていること。
無料にする理由が明確にされています。

申し込み対象を障害者手帳のある聴覚障害者だけでなく、手帳のない難聴者も使えるのがいい点です。

いくつかの電話リレーサービス業者が登録されていますが、わたしはアイセック・ジャパンを選んでいます。

選んだのは21時と遅くまで営業している点でした。
仕事で18時で終了という事はあまりなく、この辺りはビジネスで使われる事を前提にしていると感じました。

あとで知りましたが、電話代理サービスだけでなく遠隔会議文字通訳サービスもはじめており、会社を立ち上げたばかりとのことなので、沖縄の雇用に貢献できればと思い、選びました。

実際に使ってみて

ご縁ができたアイセックジャパンです。
さっそく使ってみましたが、下の通りチャット形式で使えます。
チャットソフトを使っている方なら問題ないでしょう。

チャット

歯医者の予約の変更や荷物の再配達など役立ってくれています。
オペレーターもまだ初めての人も多いようで、電話代理サービスの利用の都度、気づいた点を「ここはこうしてはどうでしょうか」と提案するとさっそく取り入れているのがいい点です。

マニュアル・機械的なサービスを望む方にはお勧めしませんが、人間くさいのがいい味を出しています。

オペレーターの名前もわからなかった以前の電話代理サービスと比べても格段の進歩だとわかります。

利用ソフト

スマートフォンのチャットソフト「LINE」からも使えます。

わたしは今はパソコンが主ですが、近いうちにタブレットから利用し
てみます。

利用料金

気になる利用料金は先も書いたように日本財団の提供で無料です。

パソコンやスマートフォンのチャットソフト、電話回線は自己負担ですが、パソコンのインターネットにつないでいる方は回線料は定額になっているのと、スマートフォンを使っている方ならほとんど定額になっていると思います。

課題

一般の人達の認知度が小さいのが現状です。
ただ、使って「無料でよかった~」と何もしないのではなく、自分にこのサービスが続けられるには何ができるかを考えてみましょう。

課題としては電話を使った事が無いため、電話のかけ方やマナーを知らない難聴・聴覚障害者もいると思うのでまず、電話のかけかたについて知ってもらうことも必要ですね。

わたしが行った例

一番必要としているのは電話で聞き間違いなど不自由な思いをしている若い難聴者の方だと思い、アイセックジャパンからいただいた案内リーフレットを市役所の情報公開課で、市民向けに告知と案内を提供しているボックスで告知してもらえないかと相談しました。
これまで行政情報の調査で何度か相談している馴染みの担当から
「ごめんなさい」と謝られました。

国や行政の告知資料が優先されますとのこと。
よく、考えて見たら、そのとおりです。(^^;)

でも、内容はまちがいなく公的にも必要なものなんで、いい方法がないかなあ・・・と考えてみました。

地域の難聴者協会は老人ばかりでパソコンも使わない人達が多いのと、これまでの経緯から、告知は期待できそうにないなあ・・・

と、

ありました!気づいていない盲点が。

わたしをみて「自分は難聴です」と言えるようになった人も多く、難聴者の多くが自分は難聴であることを人に言いたがらないということ。市役所の職員にも言わないだけで、実際にはいるのではないかと思いました。

市役所も人数が多いのでいてもおかしくありません。
市役所の委員会でお世話になったS課長と話をしました。

市役所への情報提供という形で職員で難聴の方がこれを使って仕事をしてもよいとなれば、市役所は難聴者にとっても安心してもらえるのではないかと提案した所、快く快諾をいただきました。

もちろん、当事者本人が告げるのと、実施されるかどうかはまた別の話ですが、わたしが行政のボランティアや委員会などに積極的に出たことが信用につながったと実感しました。

これから

日本財団の提供でモニター実験が行われていますが、利用人数が増えるとさらに認知度も深まり、いっそう定着して、サービスも大きくなっていくと思います。

今はまだ実施できていませんが、利用が拡大したら、タイでは既に行われている公的なグローバルサービスとして24時間使えるようになるでしょう。

料金という問題はひとまず日本財団の提供で無料で使えます。
すごい太っ腹ですが、競艇でお金を落としてくださる方々に感謝です。

これを実験サービスから公的なサービスにしていくにはどうすればいいでしょうか?

実績をだすことです!

先のように「音声認識ソフトが・・・」という前に

「さっさと動きましょう」

ですね。

できない言い訳ばかりする人たちはほっておきなさい。

想像ですが、これまでの難聴・聴覚障害者への社会的支援が後回しになったのは、当事者は責任と完璧を求めるけれど、誰も喜びや感謝の声出さなかったため、結果を見て「役に立ったなかった」と思われたのかもしれません。

そんな役に立たな考えより、この事業がどれだけ役にたつか、そして難聴・聴覚障害者の行動範囲がひろげることが先です。

そのためにはわたしたち難聴・聴覚障害者が積極的に電話リレーサービスに登録して、あちこちの会社に電話リレーサービスを使って、気になった点を質問したり、問い合わせを行い、一般化していくのも手です。

一般的に知名度が上がったら、会社で電話リレーサービスを使って仕事もできるようになるし、キャッシュカードやクレジットカードの紛失なども考えてもらえるでしょう。

参考】
日本財団
電話リレーサービス案内
http://trs-nippon.jp/

株式会社アイセック・ジャパン
電話リレーサービス案内
http://denwarelay.jp/

産経新聞 電話リレーサービス
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140520/bdy14052008020001-n1.htm

作者

前川修寛

 前川修寛(まえかわのぶひろ)
 難聴・聴覚障害メンタルコーチ。難聴・聴覚障害からくる対人関係や心身に影響するメンタル問題の緩和を非言語手段で潜在意識に働きかける技法を用いた独自のメンタルコーチを行っている。遠方の兵庫、東京や山梨、福井からはるばる受けに来る人もいる。参考【難聴メンタルコーチ